「何がわからないかがわからない」かを理解することから学習が始まる

何がわからないのか、が上達へのスタートライン

仕事でも遊びでもスポーツでも一緒だと思うのですが、最初って何にもわからない状態じゃないですか。

分からないことばかりで周りからどんどん突き放されているような感覚とでも言うのでしょうか。

  • ルールがわからない
  • 順番がわからない
  • 答えがわからない
  • やっているのが良いのか悪いのかがわからない

そんな時に「上手だ」と褒められても「何と比較して上手だったのか」がわからないし、「だめじゃないか」と怒られても「なぜダメだったのか」がわからなかったりします。

そう、最初というのは「何がわからないのか」がわからないのです。これ、ある程度経験をしてしまうと完全に忘れてしまうんですが、例えば誰かに何かを伝える時にはすごく大事なことなのではないかと思うんです。

久しぶりに「何がわからないかわからない」体験をしてみて

数年前にテニスを始めました。それまでラケットすら握ったことがないしルールもさっぱりわからない。でも友達が「面白いよ」って勧めてくれて「この人の面白いは僕の性格とかを理解していつも面白いよと言ってくれる」とわかっていたのでスパッと始めてみたのです。

それがもう3年くらい前の話で、今でもテニスが本当に楽しくて毎週末にはワクワクするくらい。始めてみてホントに良かったのですよ。

その3年くらい前に。

初めてのスクールのレッスンのときに見よう見まねで他の生徒さんと同じようにやってみたらコーチが「うまい!」と褒めてくれたんですよ。

でもそれは僕にとっては不思議な事で「何に対して上手だったのか」というのがまずわからないんです。これが逆に「サキさん、下手」と言われても「何に対して下手なのかが今の自分にはわからない」んですよね。

基準のようなものが今の自分にはないので「何がわかってて何がわかっていないのか」すらわからないんです。

どんなときにもこれがまず最初にやってきます。何かを掴む前のふわっとした状態。でもこの時の感覚っていうのはあとあと大事になってくる気がします。

まずは習ってみるということでスポンジのように真っ白な気持ちで向き合っているので、予備知識もなく言われるがまま初回はやってみたんです。すると1日目が終わったところで疑問がいろいろと出てきました。

  • 腕の動きはこれで良かったのかな
  • 視線はこんなふうで良かったのかな
  • 足のフットワークはどうするのがいいんだろう
  • あの内側の線はなに?外側の線は何?踏んではいけないの?

最初の「ふわっとした、漠然とした訳の分からなさ」からなんとなくステップアップして「なんとなく自分に足りないものがちょっと見えた」状態になります。

「何がわからないかがわからない」→「まだはっきりわからないけど自分に足りないものがわかった」そんな状態になります。

なんとなく疑問点がわかれば解決方法は無限に出てくる

例えとしてさっきの「腕の動きはこれで良かったのかな」を取り上げてみます。

言われるがまま他の生徒さんの真似などをしたりコーチの動きを真似したりすることで「なんとなく自分の動きと他の人の動きがちがうこと」がぼんやりとわかりました。

この違いはどこから来るんだろう。家に帰ってネットで調べたり動画で調べたりすると、どうやら自分が思っていた腕の動かし方というのは考え方の根本から違うということに気付きました。

「ああわかった、自分に足りなかったのは基本的な知識だったんだな」そこで私はそれを改善する方法を探しはじめます。

  • 基本的な動作はここをイメージすると良い
  • こうすることで正確な動作をすることができる
  • 無理な動かし方をすると怪我をすることがある

「何がわからないかがわからない」から「なんとなく自分に足りないものがある」と気付き「こういう考え方で動作がなりたっている」と分かると「じゃあどうすればよいのか」に繋がっていきます。

今回の僕の場合は動画をたくさん見ました。基本的な動作を知識として頭に入れてから動画を繰り返し見ることで自分の動作としてイメージを増やしていきます。

動画に合わせて体を動かしてみたりゆっくり動画を再生することで自分の体もゆっくり動かしてみたりします。

すると結局深く理解したのは「そうか、ラケットを振る動作は手の動きで制御するんじゃなくて体全体を使って生み出される」んだなということ。

たぶんですが、次のスクールの時にはその動作については「何がわかっていなかったか」が多少なりとも(完璧ではなくても)わかっているので、自分の動作をチェックすることができるし、もし間違っているとしても「ココはこんな動かし方で良いのですか」とコーチに質問することもできるわけです。

それは自分なりに基準のようなものが出来たので、それに対しての「良い、悪い」「うまい、下手」「高い、低い」「早い、遅い」という表現が使えるようになったから。

こういうことを積み重ねて成長していくんだなと思っています。もちろんそれが出来ても次から次へと課題は出てくると思うんです。それをただこれまで通り「何が出来て何が出来ない」から「どうすることで課題をクリアするか」とイメージをふくらませること。

これ、嬉しいんですよ。できなかったことができるようになる喜びって本当に何事にもかえられない。0から100にいきなりはなれなくても、0から1,1から2と積み上げることで100にはいつかたどり着けるかもしれない、という期待感とか。

仕事や生活でもきっと同じことがいえる

新入社員の方や職場が変わった方などは特に意識すると思うんですが、「仕事ができない自分」というもの。最初は誰でも「何がわからないかわからない」から始まります。そんな時に先輩や上司がいくらワーワーと指導されたって基準がないからなかなか理解できないんです。

でもそこから少しづつ仕事を覚えていくことで「何がわからないのか」が分かるようになればあとはどんどんできるようになります。分からない点があれば質問することができるし、理解するために必要なものが何なのかも自分でわかるようになりますから。

ホントはこれを上司や先輩になっても覚えておいてほしいんですよね。「アイツはいくら教えても理解できないバカだ」とか「物覚えが悪すぎて困る」とか言っていないで「どこまで理解しているんだろうか」から確認してあげることでアドバイスの仕方もきっと変わると思うんです。

どこまで理解しているかがわかれば、任せられる業務もきっと変わってくると思うから。それを理解せずに理解できていない業務を丸投げするから出来ないんですよ。じゃあ出来ない原因を作っているのは命令を出している側、ですからね。

人間だれもが最初は初心者で真っ白で「何がわからないかわからない」んですから。

何もわからなければインターネットで検索ができません。「何がわからないかわからないから」検索ができないのです。それよりも一歩進んで少しでも「これが分かった」を増やしていくのが大事ですね。