あれこれ買うよりまずは「楽しむ」ことから
私がキャンプを始めた理由は本当にありきたりのものでした。
- キャンプを題材にしたアニメを見たこと
- すごくキャンプが楽しそうだったこと
- 自分でもやってみたいと思ったこと
- 自分の身の回りに自然があふれていたこと
そう、最初は「楽しそう」が原点です。そして実際始めてみましたが楽しいです。
この記事では「ソロキャンプを始めてみたいけど何がわからないかすらわからない」方に読んでもらいたいことを書いておきます。自分で使っていない商品を適当に勧めるとか「おすすめの△△100選」なんてものは登場しません。
何かを始めるときに「背中をスッと押してもらえる」とワクワクして始めることが出来たりするものです。この記事がそんな方の背中をスッと押すことができれば最高に嬉しいです。
キャンプとは「自然を味わう」こと
私がもっぱら行くのは琵琶湖岸、湖があって砂浜があって木が生えていて芝生があったりします。
私は移動手段に自転車を使っていますが車で行く人もいれば電車を乗り継いでキャンプに行く人もいます。でもキャンプをする先は大きく言えば「自然」に向かっていきます。自然を楽しみに行くわけです。
例えばキャンプをする場所に到着して寝転がり目をつむるとどんな事が起きるでしょうか。
- 遠くで鳥がピヨピヨと鳴いている
- 蜂なのかアブなのか虫がブーンと飛んでいる
- 近くの川のせせらぎが聞こえてきた
- 芝生の草のむっとする匂いがする
- 顔に日差しが当たり日焼けしそうだ
- 腕のあたりがムズムズする、アリがよじ登ってるかもしれない
そんなことが起きます。もっと変わったことも起きるかもしれません。そんな中で自然を楽しむのがキャンプです。
寝る場所を作ったり食べるものを作ったり夜空を眺めたりするのは自分です。待っていても誰も手伝ってくれません。自然というものの中で自己責任で過ごすものがキャンプなので、正直不自由に思うことも多いと思います。
以前キャンプが好きな芸人さんがテレビに出てこんなことを言っていました。「不自由を楽しむのがキャンプ」。そのとおりです。ではその自然の楽しみ方にはどんなものがあるでしょうか。
自然の楽しみ方いろいろ
キャンプと言ってもいろいろな方法があり、子供の頃に行った遠足のようなものからテントを張り火を起こし何泊も宿泊するようなものまで。どれが正しくてどれがダメなんてものはありません。楽しみ方は人それぞれでいいのです。
ハンモックに揺られる
私が最初にやったのはこれでした。琵琶湖岸に立っている木2本の間にハンモックを張り揺られてみました。
自然の中での非日常体験です。ハンモックって安いので3000円も出せば買えます。
例えばコンビニでお弁当を買って公園に行き、ハンモックに揺られてお腹が空いたらお弁当を食べる。これだってキャンプです。目を閉じてハンモックに揺られていると自然の中に溶け込むことができます。
焚き火をする
これはまったく私も想像出来なかったのですが、火が燃えているのを眺めるととんでもないいやし効果があります。揺れる炎、火の暖かさ、パチパチと音を立てる薪。私の場合ウイスキーを飲みながら夜焚き火をするとストレスが溶けます。
キャンプファイヤーのように大きな火ではなくても、小枝をちょっと燃やすだけでも炎は楽しいものです。
テントに泊まる
これが一番キャンプっぽいのですが、テントに泊まるのも楽しいものです。
最近のテントは安くて良いものがあり、雨が降っても大丈夫。私も何度も雨に降られましたがテントの中まで浸水したことは一度もありません。生地も骨(パイプ)も薄く軽いのでかさばったり重く持ちにくいものではありません。
ソロキャンプでテントに入り音をすべて消すと本当に孤独を感じたりします。孤独の時間を楽しむことが出来るのもキャンプの醍醐味です。といいつつ、テントの中で「いまソロキャンプなう」とTwitterやSNSでやり取りするのもまた楽しいものです。
食事を作る
私は今まで料理というものをまともに作ったことがありません。でもキャンプに行くと自分で食べるものを用意しなくてはいけないのです。
- お湯を沸かす事ができればカップラーメンが作れます
- 火をつける事ができるなら焼く料理が作れます
- 弱火があれば米を炊くことができます
- コーヒーを飲んだりお茶、紅茶、ホットワイン、好きなものを飲むことができます
キャンプに行く途中でスーパーなどに立ち寄り食材を調達することも多いのですが、「今日はこれを作ろう、そのためにはこの食材とあの食材と・・・」などとまるで主婦の方のように献立を考えたりすることも。
キャンプにはこのような楽しみ方、過ごし方があります。では実際にそれらを簡単に楽しむ方法を考えてみます。車があれば、荷物をたくさん積めるようなバイクや自転車があれば持ち物も増やせますが初期費用もかかります。
ここでは一番始めやすそうな電車と徒歩で行くようなキャンプを考えてみることにしましょう。
電車と徒歩で行くお手軽キャンプ
たとえば「電車で行けるキャンプ場 関東」などと検索すると実際にキャンプに訪れた方が書いたようなサイトがたくさん見つかります。駅から歩いてどのくらいの時間がかかるのかなど事細かく書いてあったりするので非常に参考になります。
関西在住なので初めてチェックしましたが結構関東で電車で行けるキャンプ場は多くてびっくりです。
さて、私もキャンプ場を利用をすることもありますが、キャンプ場を選ぶにあたり注意したいのはこのあたりです。
- 管理人さんは常駐か、朝から夕方だけか(特にソロキャンプの場合緊急事態も考えたいものです)
- 水場(飲料水の確保)、トイレの有無(綺麗さは別として)
- シャワー室、温泉、お風呂があるか、近所にあるか(テント設営などで夏は結構汗をかいたりします)
- 予約ができるか、到着順か(せっかく歩いていったら満員で入場制限で入れない、なんてことも)
- 売店の有無(食材以外にも薪の購入ができるかは大事なポイント)
- スーパーなどで食材を購入できるか
- 人気度(人気のキャンプ場はあっという間にテントでいっぱいになることも)
おすすめできるのは「トイレがありシャワー室なども完備、薪や食材も売っていて管理人さんは常駐、あまり人気がなくて隣テントまでゆったり広く静かに過ごせる駅から近いキャンプ場」だと思いますがそんな都合のよいキャンプ場はまず見つかりません。
自宅からどのくらい離れているか、日帰りのデーキャンプなのかテントを持っていくような宿泊のキャンプなのか等によって上記のチェック項目で必要度合いが変わってきます。
デーキャンプならシャワーが無くても良いかもしれませんし、売店が充実しているなら食材の買い込みも不要かもしれません。しかし逆にそのあたりが不十分なキャンプ場なら水すら購入する必要があるかもしれません。
自動車にキャンプ道具を積んでいくようなキャンプなら「忘れ物をした、食材を買いに行く」ということで車に乗っていくこともできますが、ソロキャンプの場合設営してしまうとなかなか長時間テントから離れるのは盗難などのリスクも背負うことになります。
なるべく荷物を厳選して食材などをしっかり買い込んだ後キャンプ場に入ることが大事になると思います。
どんな道具が必要か
必要な道具については「どんなキャンプをするか」によって大きく変わってきます。お湯を沸かすだけで済ませたいならカップラーメンとおにぎりを途中で購入、やかんとバーナーを持っていくだけで事足ります。
例えば私が使っているのは家庭用カセットが使えるイワタニのバーナーとやかん。
登山用品などに売っている本格派のバーナーよりもコンビニなどでカセットコンロ用ガスが入手しやすいのがメリット、コンパクトサイズでかさばらないのが便利です。
クッカーと呼ばれるお鍋などがコンパクトにまとめられているものを購入するとうどんや焼き物などを始めることができます。
これは私が持っているものですが、お湯を沸かしラーメンをつくったりソーセージを焼いたりすることもできます。アウトドアでの温かい食事は本当に心も身体もホッとするものです。
肉を焼いてみたい、ステーキを焼いてみたいというならスキレットなどもあります。
重さがありますが熱をじっくりかけることが出来るためステーキを焼いたりすると本当に美味しい。
お手軽に食事を済ませたい、というならホットサンドなども良いです。コンビニに売っているような肉まんを焼いたり惣菜パン(ランチパックなど)を焼いたりしてもおいしいものです。
もちろん家でも使えますね。
これら調理器具をすべて持っていくと大変な重さになるので、キャンプに行くときは「何をするか、何を作って食べるか」等によって持ち物を厳選していく必要があります。
例えば私が電車で関東のキャンプ場に行くことにした場合を考えて装備などを考えてみることにしましょう。
電車でキャンプ、の装備あれこれ
もし私が電車でソロキャンプに行くならこれくらいを持っていこう、というのをまとめてみます。
- テント(二人用)荷物を完全にテント内に入れるためには1人用ではちょっと狭い)
- イワタニガスバーナー(さっき紹介したもの)、カセットガス
- ホットサンドクッカー
- やかん
- 寝袋、クッションマットなど寝るためものも
- 食材
- 上記を入れるリュック(完全防水のもの)
これだけあれば軽く一泊くらいなら大丈夫です。あとは食材を購入しておけばソロキャンプができるでしょう。
- テント設営
- ホットサンドクッカーでソーセージやお肉などを焼いて食べる
お湯を沸かしてカップラーメンなども食べられる
コーヒーやスープなども飲める
レトルトのハンバーグがあれば朝ごはんにホットサンドなども作れる - 気温に合わせて寝袋やクッションマットなどを工夫すれば睡眠は十分取れる
まずは楽しむことからはじめて、そこから「自分なりのキャンプスタイル」のようなものを作っていくのがいいと思います。私の場合はマウンテンバイクを買い、キャンプ道具をくくりつけて自転車旅+キャンプというスタイルですね。
ほかにも「バイクパッキング」と呼ばれる、自転車自体にバッグを取り付けるスタイルもあります。機動力が全然違うのです。
これにこだわる必要もないのです。最低限の荷物を積み電車に乗り継いでいくキャンプもきっと楽しいのです。
キャンプ場をいろいろ見ていたのですが東京新宿からでも2時間ほどで行ける西多摩郡奥多摩町の川井キャンプ場という場所が良さそうだなと思いました。
- 食材や薪などが購入できること(要予約のものも)
- 川が近く涼しそうな所
- 河原のフリーサイトなら一泊1000円と格安
- 河原の石を組めば直接焚き火をすることができる
- キャンプ道具や調理器具のレンタルなどもある
レンタルなどが充実していると自宅から持ち出すものも少なくなるのでソロキャンプを始めたばかりの方でも気軽に利用できそうな気がします。
まずはなんでもいいからやってみては
InstagramやTwitterなどでソロキャンプをやっている人を見ると、いろんなグッズや一流メーカーのテントを揃えている人、料理を真剣にやっている人、星空を眺めて写真におさめている人など「それぞれの楽しみ方」を満喫しています。
情報は確かにたくさんありますが、結局楽しむのは自分です。自然に自分を放り込んでみて楽しむのがキャンプです。
ちょっとごろ寝できるシートを100円で買い、近くの公園に行きコンビニのおにぎりを食べるのだってデーキャンプの一種です。そんなことを楽しみ始めてから「あれもやってみたい」「こんな調理をしてあれを食べてみたい」などキャンプの中身を少しづつ考えていくのが良いと思います。
そうでなければ「あれも買うこれも買う、でも全て持っていくわけに行かず結局使えない」ようなキャンプグッズばかり増えることになります。
いろいろ書いてみました。キャンプをやってみたいなと思っている人の背中を少しだけでも押せればいいなと思っています。