真の刀剣好きならシリーズで、お気に入りの一口があるなら好きなものだけ購入がオススメ
実は私、なかなかの刀剣好きであります。去年は「京のかたな」を見に行ったり(三日月宗近を至近距離で見れました幸せ)、国宝級の刀をいくつも見ることが出来ました。
京都には刀剣を宝物殿に置くお寺もたくさんあり、北野天満宮は梅を見に行ったのか刀を見に行ったのか。ほら、鬼切丸です(写真撮影が認められています)。
そんな私がテレビを見ていて目が止まったのがDeAGOSTINIが新しく5月28日に創刊する「週刊日本刀」というもの。
創刊号は村正を紹介するということで創刊号は199円、というところまではわかりました。じゃあそれ以降はどうなるのかちょっと気になる。
そして私はいつもDeAGOSTINIなどの創刊するものは「一体最後まで揃えたらいくらになるんだ」という総額が気になるタイプでもあります。そのあたりもしっかり調べてみることにしました。
ではお付き合いください。
9章で構成される「週刊日本刀」
週刊日本刀は9章で構成されているとのこと、日本刀を様々な視点で取り上げようとしているのがわかります。
- 国宝、重要文化財を中心とした名刀を原寸大美術印刷で表現する【日本刀ファイル】
- 刀剣視点でみると、歴史上の人物の意外な人物像が浮かび上がる!【刀剣人物伝】
- 鋼を鍛え、刀身・刀装に神宿らせる名工たちの技、伝説、人間像【日本刀匠伝】
- 高度な技術と日本美を追求した秀逸の美術図鑑【刀装具ぎゃらりぃ】
- 「刀剣」を軸に、日本の歴史・文化を多角的に深掘り!【日本刀ストーリー】
- 世界最高水準の美と機能を誇る日本刀を科学する!【美とテクノロジー】
- 現代に息づく日本刀文化と担い手たちに迫る【現代の日本刀カルチャー】
- 基本的な情報を平易に解説 日本刀のすべてがわかる!【日本刀BASIC】
- 日本が誇る2000あまりの日本刀と拵を完全網羅【名刀・拵 DATA FILE 2000】
美術館などで刀剣を見てもらうとよくわかるのですが、日本刀というのは時代などによって長さや反り、切先などが違い、刀匠によって作風も大きく変わるものです。また、鉄を鍛えることで作る日本刀は作り上げる中で「地鉄」や「刃文」と呼ばれる模様などが浮かび上がり、さらに美しさが際立つものです。
完全に脱線してしまって申し訳ないのですが(笑)これは国立博物館に所蔵されているものをインターネットで公開している「e-国宝」にある三日月宗近。
太刀 銘三条(名物三日月宗近)
刃長二尺六寸四分(約80.0cm)、反り九分(約2.7cm)。細身で反りが高く(反りが大きい)、踏ん張りの強い(刀身の鍔元の幅が広く、切先の幅が狭く、その差が大きいこと)極めて優美な太刀である。地鉄は小板目肌がよく約(つ)み、ところどころ大肌まじり、地沸が厚くつき、地景入る。刃文は小乱れ主体で小足入り、小沸つき、匂口深く、三日月形の打のけがしきりに入る。中ほどから上は二重刃、三重刃となり、帽子も二重刃となって先は小丸ごころに返る。茎(なかご)は生ぶで雉子股(きじもも)形となる。通常の太刀と異なり、佩表でなく佩裏に銘(「三条」二字銘)を切る
「京のかたな」展を見に行ったとき、いきなりまばゆく光っていたのがこの一口でした。
いや、見る機会があれば本物を是非。e-国宝でもかなり精細な画像で見ることができるのでぜひぜひぜひ。
この「週刊日本刀」ではこれらの国宝、重文クラスの日本刀を原寸大の美術印刷で紹介しているとのこと。日本の撮影機材技術は世界でもトップクラスですし(特にキャノン)まるで手に届くように刀剣を見ることができそうです。
また、刀には持つ人の歴史や刀匠の技術、由緒など、ただの「切るもの」以外の重みがあります。重量で押し切るだけの西洋刀とは違う日本刀の美しさや歴史を存分に楽しめるシリーズになりそうです。
「週刊日本刀」は創刊から何号まで続くのか、総額は
現在公式サイトでオープンになっている創刊以降のラインナップは5号までです。
[創刊号] 村正 ~徳川家康が所持した異色の名刀~[第2号] 長光 ~備前名工の隠れた名刀~
[第3号] 正宗 ~池田正宗の知られざる名刀~
[第4号] 虎徹 ~江戸の名工、出色の一振り~
[第5号] 石切丸 ~宗近が鍛えた”霊剣“~
時代を偏らせることなく、幅広く取り揃えたスタートダッシュがなかなか良いです(笑)でも虎徹じゃなくてもう少し古い時代のものが良かったな。
公式サイトによると最終刊は101号になるそうで、最終刊は索引号になるそうなので賞味100号になるようですね。
最終巻まで揃えるといくらになるか計算してみましょう。
- 1号は創刊号で199円(税込み)
- 2号から101号までは639円(税込み690円)で63,900円
- 特製バインダーは10冊綴じられる、1冊は創刊号付録なので9冊必要×550円税別(税込み594円)で5346円
週刊日本刀をコンプリートさせようとすると上記の計、69,445円で集められます。
が!「週刊日本刀」をもっと楽しむ「オリジナル日本刀コレクション」という模擬刀が全6回!
- 織田信長 へし切長谷部
- 豊臣秀吉 一期一振
- 徳川家康 三池典太光世
- 沖田総司 加州清光
- 土方歳三 和泉守兼定
- 近藤勇 虎徹
しかしなぜ新撰組にこだわったか意味がわからぬ・・・ちなみに1本25,000円・・・これはいらない。
まぁ模擬刀が好きで好きでしょうがない方ならおすすめかも知れませんが(笑)
「週刊日本刀」オススメの買い方は
日本刀についてすべての知識を得たい、フルコンプリートしたいという方には7万円ほどでビジュアル的な資料を揃えられるのは良いかもしれませんが、それだけの金額を使うのなら他にももっといろんな使い方があるような気がします。
実物を時間をかけて眺めてみたり、日本の歴史を学んでみたり。日本にはたくさんの美術館や展示イベントなどがあります。特に今年は年号が変わったことで記念のイベントとして天皇家ゆかりの品などの美術展なども多く行われていますので。
紹介している私がいうのもなんですが、「気に入った一口」があればその号だけ買うのがいいのかな、と思ったりします(笑)ちなみに私はe-国宝だけで十分お腹がいっぱいです。図書館などにもたくさん刀剣の本はありますので。
さて、気になった方はぜひ。