本当は寝たくないからやってしまう「あくび」の話
とある友達ブロガーさんの昔話です。
眠くてあくびが出そうになるのを必死で噛みこらえているのを先生に見つかり「やる気がないなら帰れ!」と怒られたとのこと。屁理屈言いの私なら「面白い授業してくれたらいいのに」と先生が悪いと悪態をついたりもするところですが、さすが某氏、眠いのを我慢したのだからと先生をかばうかのような言い訳をしてさらに怒られたとのお話。
これが教育現場の実態というやつですな、恐ろしい恐ろしい。
そもそもあくびというものはなぜ出るのか
今回の話のように、「眠い信号が脳に出た結果あくびがでる」と思っている人が多いと思いますが、実は逆なんです。でもあくびが出るから眠い、でもないですよ。
「人間は眠い自分の眠気を覚まそうとしてあくびをしている」そもそもあくびというものが何のために存在してるかというと・・・
- あくびによる呼吸で脳の血行がよくなり脳が活性化
- 副交感神経を分泌させ緊張をほぐす
- 呼吸によって体温(特に脳)を体外に放出し熱を下げる
- 通常の呼吸より大きな呼吸をすることで酸素も多く取り込まれる
- 大きく口を開けると咬筋が伸びて脳に刺激が送られる
ということで、眠くて起きるあくびというよりは「脳や体を覚醒させる」動作、ということがわかると思います。これらの動作、考えてみると思い当たるフシがありませんか?深呼吸をして緊張をほぐしたり、ガムを噛んだら眠気がさめたり。ちゃんと医学的に結びついた動作だったんですね。
なので先生に「いえ、先生のつまらない授業によって脳が不活性になっていたのをあくびによって脳を活性化しようとしただけなんです」と堂々と主張すればよかったわけです(笑)余計怒られますね。
スポーツ選手のあくびはまた意味が違う
さっき書いたようにあくびには「リラックス」の作用もあるんですが、スポーツ選手でも自然とあくびをしていた方がいました。
マット・ビオンディ、覚えていますか?
アメリカの選手で背が2mを越える長身から繰り出される6ビートキックのフリースタイルは手の掻きも本当に美しかった。ソウルオリンピックで金メダル5つを含む7つのメダルを取る水泳界のヒーローでした。
1:15くらいから競技スタート、マット・ビオンディは4コースです。彼の大きなフォームは本当に美しい。彼はソウル五輪の年にカリフォルニア大学を政治経済学で卒業後、今は数学の教員をしているのだとか。
などということを書いていると水泳の魅力に引きずられそうになってしまうのですが。
このマット・ビオンディ、泳ぐ前の時間にやたらあくびをするんです。「さて、いよいよマット・ビオンディが登場します!」みたいにアナウンサーが盛り上げてカメラはビオンディをアップにするんですが、あくびばっかりしていて、緊張が足りなそうに見えたのを覚えています。
「ビオンディは眠いんでしょうかね、やたらあくびばっかりしてますね」とアナウンサーが言うのを解説に来ていた方(お名前失念)が「違いますよ、緊張をほぐすために意図的にあくびをしてリラックスさせているんです」と失笑気味に言ったのを思い出しました。
眠い時はしっかり睡眠時間を確保しましょう
この記事を書いたときはオリンピック真っ最中、競技が真夜中にあることも多くてついつい夜更かししてしまいました。
そう、あくびが出るような眠い時はちゃんと寝ましょう。眠いというのは体が「もう休んで明日元気にがんばろうよ」と教えてくれてるのですから。