営業力をアップさせたいなら、営業がわからないならオススメの本をまとめました
気付いたら人生の半分を営業一筋でやってきたので、いわゆるトップ営業マンを色々な業界で見てきました。それぞれやり方は違うのですが、どのトップの人にも共通するのは「仕事に対して真摯であること」。手を抜かず努力し続けられたからこそトップになれたのだと思います。
私は嫌いでしたが「社内営業」というのも大事かもしれません。事務員さんや上司に対する根回し気配りを総称して社内営業と言ったりします。自分の仕事に注力するためにしっかり周りの方にサポートしてもらえる体制を作るのも大事なことです。
ありがたいことに営業の仕事は喜びも悲しみもトラブルもこれらをすべて栄養にできるのです。「あの時の切り返しトーク」とか「あの時習った法律の知識」とか「あの時あの先輩はこんなふうにクロージングやってたよな」などなど。これらは経験値として自分のレベルアップにつながります。大卒で営業に回されて最悪だ辞めたいとか言ってる時間があれば勉強の一つも始めたほうがいいと思うのです。
で、本題。
ビジネス書はいろいろ会社の方針で読まされた事もあるし自分で買ったりもしましたけが、いわゆる「営業マニュアル、必勝法」で自分にピッタリくるものはなかなかありません。それは商材も有形や無形のサービスであったり扱う商品の価格も違えば相手は企業なのか個人なのかリピーターが多いのか一見さんが多いのかによっても変わってくるから。
そのたびにたとえば「文具系商社マン専用営業必勝本」とかなんて作っていられないのです。
そこでたとえば「営業という仕事を任された、とりあえずその仕事について知恵をつけておきたいし、一冊の本を紹介してくれ」というのなら絶対に勧めたい一冊があります。そしてその本の紹介のあとにはその他におすすめしたい営業関連本をご紹介しておきます。
最大のおすすめは「法人営業バイブル」大塚 寿 (著), 井坂 智博 (著)です。
「法人営業バイブル」とは
大塚寿氏はリクルート出身のMBAホルダー。現在はエマメイコーポレーションという経営コンサルティングの社長。リクルート叩き上げの一人としての営業本は面白くためになる、営業という仕事にドリームを感じさせてくれる方です。(のちほど紹介します)
井坂智博氏もリクルート出身。広告営業から人材派遣リクルートスタッフィングのテストセールスセンターをセンター長として運営し営業プロセスについて徹底的に極めた人。今は株式会社インクルーシブデザイン・ソリューションズの経営者として障がいのある者が社会で活躍していくためのデザインや研修、高齢化社会へのマーケティングやプロモーションなどをおこなっています。
そんな二人がタッグを組んで「単なる営業論としてあるべき姿を論じるのではなく、読者の皆さんが現場で実践できるような”見本、手本、注意点”を明示し、現場で実践し、業績を上げていただくための活動手順を伝えたい」というのがこの1冊。
法人営業と個人営業の違いからはじまり、営業前のアプローチ準備の必要性、キーパーソンの探し方、営業フローの作り方やアプローチ、返しトークの作り方。ヒアリングの重要性と担当者のタイプ別対応法、プレゼンやクロージングで気をつけたいことなど、まさに「法人営業バイブル」の名前は決して伊達ではないと。
非常に具体的に、例を踏まえて書かれているので「自分の場合ならここをこうしたら自分のトークとして使えるな」と自分で考えることができるなど、単に読んで終わりのマニュアル本とは全く違います。
実際私もこの本を使って新規開拓のためのテレアポのスクリプトを作って自分でも使っていたし、部下にも参考に渡したりしてました(さすがにもう使ってないでしょうが今でも現役で使える内容です)
この本の初版が2006年。私が法人営業でビルの中を走り回ったり千本ノックのようにテレアポをしていた時の本。まさにこの本は僕のバイブルとしてカバンにこっそり忍ばせ、ベッドでは枕の下に隠し、終電の車内ではこの本を胸に抱えながら居眠りをしていました。
この頃にくらべインターネットの普及やスマホ、タブレットなどの端末がデータ収集を楽にさせてくれたこともあるとは思うのですが、法人営業というものの根本については10年前とまったく変わっていないと思います。
ありがたいことにKindle版がちゃんと出ているので是非オススメ。また、大塚寿氏が書いたこの本のベースになっている部分についての2冊、
この2冊も本当におすすめ。これらもKindle版が出てるので是非。
ではその他の営業関連本をいくつかご紹介しておきましょう。
その他の営業関連おすすめ本
「世界NO2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本」
この本を書かれた和田裕美さんは外資系英語教材のセールスで世界ナンバー2まで上り詰めた営業の超達人。今は株式会社HIROWAの社長さんとして営業セミナーなどの仕事を全力で頑張っていらっしゃいます。
実際にお会いする機会も何度かありましたしいつも元気をもらえる方。でもそれなのにちょっとおっちょこちょいでチャーミングなのです(笑)
そんな和田さんとの出会いや本の紹介をしてるのがこちらの記事。(失敗してよかった、もめちゃくちゃ良い本です)
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いろいろな「わだ本」を持っているのですが一番紹介したいのが「世界NO2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本」です。
私は大学を卒業して新卒で入ったトヨタ系ディーラーで営業の厳しさに完全に打ちのめされていました。「もう営業はやめて事務職で大人しく真面目に働こう」などと思っていたのです。そんなときにフラフラしていて図書館で出会ったのがこの本でした(詳しくは↑この記事に載っています)
営業のテクニックの細かい部分が載っている本ではありません。でもこの本を読むと「ああ営業の楽しみというのはこういう部分にあるのか」を知る事ができます。
実際私はこの本を読むことで「やはり出直して営業をやろう」と思いました。そして車のディーラーのセールスから商社での営業、人材ビジネスなどの営業職に戻り今に至っています。
そして和田裕美さんといえば「陽転思考」。これを語るとこの記事がこれで埋め尽くされてしまうので本の紹介だけ・・・これは営業本ではありませんが「人生を楽に生きる」エッセンスが詰まっています。
考え方で人生というのはどんな方向にも広がっていくことができます。それを強く感じさせてくれる本です。
「仕事は楽しいかね」
活字が苦手な方には漫画版もあります。
原作は大雪で空港で足止めをくらってしまったビジネスマンが主人公、たまたま居合わせた老人マックスがたとえ話を踏まえながらビジネスの本質や楽しさを教えてくれる本でした。漫画版ではカフェのアルバイト店員の女の子が主人公、実業家で発明家、働く若者を支援する老人マックスの二人の掛け合いがストーリーになっています。
漫画版であってもすべてが漫画ではなく、「ホーソーン効果」やアイデアの生み出し方などはきっちり文章で押さえてあります。仕事は「追われるもの」ではなく「自分から追いかけるもの」にすると本当に楽しいものだと思える本だと思います。
「プロフェッショナルの条件」いかに成果を上げ、成長するか
マネジメントの父、P・F・ドラッカーの本はたくさんあるのですが、働き始めて間もない方やマネジメントを今から学びたい方、若き経営者などにとっては奥が深すぎると思っています。
この本を一冊読んでみてどのくらい理解できるのか、さらに探究心が芽生えるかをチェックしてみると良いと思います。本の副題「はじめて読むドラッカー」の名はダテじゃない内容の本です。
生産性だけの時代が終わり企業の目的は広範囲に、知識労働者の行動や組織の存在理由は・・・ 読みながら考えることです。自分の組織ではどうか、自分の仕事への考え方ではどうか、部下への自分自身へのマネジメントはどうなのか。
自らの成長に責任を持つ者は、その人自身であって上司ではない。誰もが自らに対し、「組織と自らを成長させるためには何に集中すべきか」を問わなければならない。
「プロフェッショナルの条件」いかに成果を上げ、成長するか 227ページより引用
会社を動かしている人というのは自分を「歯車」だとは思っていません。ある人はエンジン、ある人はハンドル、ある人はブレーキ、ある人はレーダーです。
以前日本電産にお邪魔したときに貼られていた永守さんの言葉「社員の器量以上に会社は成長しない」まさにこのとおりです。
勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践
いわゆる勝間本の中で私が一番めくる回数が多いのがこれ。「無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法」とかもちょっとあの頃は斬新で良かったのですが。
本というのはその時読んで終わりのものと、資料集のように手元においておいて「あそこにいいものが書いてあったはず」と取り出して読むようなものがあります。この「フレームワーク~」は後者で、視覚化したいとき、問題をうまく解決していく方法を考えるときにパラパラとめくったりします。
今そういえば、と思って確認したのですがこの本2008年に初版だったのですね。もう10年も世話になっているのでコスパ良すぎです。
情報を得たとき、細分化する、組み合わせる、分解する、隙間を埋める、いろいろな考え方をできるようになりたければぜひ手元に。Kindle版もありますしKindle unlimitedに入っていると無料で読むことができます。
この本もそうですが、本質を捉えている本というのは内容が色褪せないものです。先ほど紹介した和田さんの本もそうですがいつ読んでも「古臭さ」がありません。逆に「この本が書かれていた時代に現代を予想していたのはすごい」と思わせる部分もあります。それがいまAIと呼ばれる「感情がいらない仕事は人間がやらなくてもよくなる時代がくる」ということも。
営業という仕事は相手に働きかけることで成果が生み出されます。きっぷを買うだけなら自動販売機でできますが、その先で待っている楽しさや美味しい料理のことを伝えられるのが営業の力です。
「営業にまわされたからしょうがないから」とか「営業をするくらいなら仕事をやめる」とか言わないでぜひ営業を楽しめるようになってほしいと思います。そんなきっかけになれそうな本を選んでみました。