テフロン加工フライパンの有害性、危険性の誤解と正しい使い方を解説

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フッ素(テフロン)加工の調理器具を正しく使えば有害なガスは出ません

以前勤めていた商社でテフロン(フッ素樹脂)を取り扱っていた関係で、それらの加工に関する知識を持っているのですが、WEBサイト上で間違った知識や誤解を招くような表現が沢山見つかってびっくりしています。テフロンは猛毒だ、使ってはいけないと。

「自身のウェブサイトから推奨するお鍋やフライパンを販売したい」という気持ちが事実をやや捻じ曲げてしまったり、こじつけなどに変化させてしまったのが原因だろうと思っています。

この記事で私がお伝えしたいことをまとめておきます。

この記事で伝えたいこと

  • テフロン、フッ素樹脂加工をわかりやすく説明したい
  • フライパンにテフロン加工が行われる理由を伝えたい
  • フッ素樹脂加工の有害性、有毒ガスが発生することの危険性を説明したい
  • テフロン加工のフライパンを安全に使う方法を伝えたい

フッ素加工のことが少しでも分かってもらえるように。そして誤解や偏見がなくなるように。10分少々頂くことになりますがどうぞお付き合いください。

フッ素加工とテフロン加工の違いとは、そもそもテフロンとは何か

敵を知るにはまず味方から、ではありませんが、そもそもテフロン(フッ素樹脂)というのはどういうものなのかを是非知っていただきたいのです。

なるべくわかりやすく簡単にご紹介してみます。

テフロン加工のフライパンとフッ素加工のフライパンは違いがあるのかと思う方もおられると思います。一番最初はそのあたりからの話です。すこし詳しめに説明していきます。

フッ素樹脂、テフロンの歴史について

1938年にアメリカのデュポン社で研究をしていたプランケット博士は冷媒を作る作業中、ガス化していた 四フッ化エチレン(TFE)を入れた圧力容器の中に白い粉が出来ているのを偶然発見し、その正体が気になりました。

調べてみるとその白い粉は薬品にも反応せず、溶けたりもしませんでした。その物質に興味をもった博士が研究を重ね、出来上がったのがふっ素樹脂(PTFE)です。

そしてデュポンはそのフッ素樹脂に「テフロン」と名付けました。1945年に登録商標されたテフロンは1946年から製品化され販売が始まりました。

このくだりはデュポン社のHPに詳しく載っています。興味が湧いた方はぜひこのあたりを御覧ください。

その製品化されたものの一つがフライパンやお鍋にするフッ素加工であり、デュポン(その後別会社ケマーズ)の製品を使った加工がテフロン加工と呼ばれるものです。

つまり、テフロン加工とフッ素加工は同じものになります。たまにWEBで見かける「塗り方の違い」や「何層にコーティングしているか」でフッ素加工とテフロン加工は違う、というのは嘘です。

今後、テフロン加工とフッ素加工という名前が出てきても同じものだと思っていただいてOKです(この記事ではあえて検索してもらいやすいように両方の名前を使います)。

テフロンはなんのために使われるの?なぜフライパンに加工されるの?

先程ブランケット博士が発見したPTFEという材料は発見された当時使い勝手の悪い素材だと思われていました。

熱に強い、くっつきにくい、電気を通さない、滑りやすい、薬品に強いなどの特徴を持つPTFEは悪く言えば接着もしにくければ形を作るにも削ったりもしにくいのです。

そこで開発されたのが塗料のように吹き付けること。いくつかの性質をもつフッ素を何層にも重ねたりすることでその性質をフライパンの表面に付加することができました。これがフライパンやお鍋に使われるフッ素加工(テフロン加工)の誕生です。

鉄のフライパンを使ったことがある方はよく分かると思うのですが、油を使わずそのままフライパンにお肉を入れるとあっという間に焼き付いてしまい料理になりません。テフロン加工は表面に塗ったフッ素によって具材がフライパン表面にくっつかないようにしてくれます。

アルミのフライパンやお鍋も同様です。アルミという素材は軽くて鉄の3倍もの熱伝導率、調理に耐えられる強さがあるので調理器具にはピッタリの材料なのですが、そのままでは油断するとあっという間に焼き付いてしまうのです。そこで表面をテフロン加工することでフライパンと具材の間に「くっつきにくい」「すべりやすい」特性を入れてやり焼き付きにくい=くっつかないフライパンにしてくれるのです。

このフッ素の特徴は他の製品にもたくさん使われています。

  • 熱に強い(耐熱性) 自動車のブレーキ、オイル、ケーブルなど
  • 薬品に強い(耐薬品性) 病院の輸血などのチューブ、薬品ボトル、半導体製品など
  • 滑りやすい(耐摩耗性) レール、潤滑スプレー、ベアリングなど
  • くっつきにくい(非粘着性) フライパン、炊飯器の釜、インクジェットプリンター内のケーブルなど
  • 電気を通さない(絶縁性) ノートパソコンや航空機などの電線の被膜、光ファイバーの保護など
  • 屋外に強い(耐候性) テント生地へのテフロン被膜、屋根の材料など

「テフロン加工のフライパンは危険だ!」「私はテフロンなんて使っていない!」とおっしゃる方がおられます。はたしてこれらの部品も使ったことがないのでしょうか。

フッ素加工、フッ素樹脂は今の生活になくてはならない素材になっています。使わない、使っていないではなく「注意する部分を注意して使う」のが今を生きる中でもっとも必要なのではないでしょうか。

テフロンは有害なの?毒ガスが出るの?

一番気になることかもしれません。フッ素樹脂加工されたフライパンの危険性をうたう記事の多くには「テフロン加工されたフライパンから毒ガスが出る」と書かれています。

でも多くの人は「熱すると毒ガスが出るらしい」という話を聞いてそのまま「毒ガスが出る」と書いています。きちんと調べて書いている人はほとんど見かけることが出来ませんでした。

素材としてのフッ素樹脂は安全です

まず、フッ素樹脂が有害なのかという質問に対してはっきりと言えるのは「有害なものではありません」ということです。

先程も紹介しましたがフッ素樹脂は優れた耐薬品性を持っています。そのことから医療機関などで手術器具や輸血などに使うチューブの内面にフッ素樹脂が使われています。

体内に入り何らかの悪影響を及ぼすものを「有害」と呼ぶのであれば、耐薬品性があり体内に吸収されない素材としてのテフロンは有害とは言えません。そもそも有害なのであれば医療器具では使用することができませんから。

フッ素樹脂を加熱するとガスが発生する?

フッ素素材を取扱うメーカーが集まって日本弗素樹脂工業会という組織があります。そちらで作っている資料がとても参考になるのでご紹介します。

ファイル自体はPDFなので直接読みたい方はこちらから読むことが出来ます(普通の方が読むには難解だと思います)

「ふっ素樹脂製品取扱マニュアル」

この中でフッ素樹脂から出るガスについての記載をさがしてみます。

ふっ素樹脂は自己消火性であり、加熱源が取り除かれれば燃焼は止まりますが、火災が発生して周囲が燃え続ければふっ素樹脂も同様に燃焼し、その結果、分解ガス(熱分解生成物)が発生します。分解ガスは、有毒なものが含まれ、その場合、消火に当たる人達や、風下にいる人達の安全が問題になります。(7ページ)

さらに

1.ふっ素樹脂加工の調理器具
調理器具には、ふっ素樹脂加工されたものが多く使用されていますが、ここで使われているふっ素樹脂は、主に PTFE、PFA です。
これらの樹脂は、熱に対する安定性、化学的不活性及び非粘着性、滑り性の特性があるため、これらの樹脂を加工した調理器具ではこびりつかず、洗浄が容易な器具となります。
このふっ素樹脂加工の調理器具としては、フライパン、鍋、炊飯器、ホットプレート及び餅つき器などがあります。その他、耐熱塗料にふっ素樹脂を配合した加工品に、ジャーポット、グリル天板、天ぷら鍋などがあります。
2.調理器具の使用上の注意
PTFE の使用温度の上限は 260℃です。通常調理時の器具温度は 150~190℃くらいであり、食用油を熱したとき、煙の出始める温度は約 200℃です。よって、通常の調理温度では十分安全であるといえます。
ふっ素樹脂加工調理器具は、使用開始時に“から焼き”をしないでください。また、“からだき”もしないようにしてください。
から焼き”や“からだき”をした場合は、260℃を超える高温となり、他のプラスチック同様に分解ガスが発生しますので、火を消すとともに速やかに温度を下げて換気をしてください。また、器具に説明されている所定の使用目的以外に使用しないようにしてください。(14ページ)

ちなみに、フッ素加工されていることの多いPTFEという素材の融点は327℃ですが、連続使用温度は書いてあるとおり260℃です。

フライパンの表面の温度をどうやって測るのかを調べてみると、フジテレビの商品研究所が作っているサイトにわかりやすい調べ方が載っていました。

フライパン予熱温度の確認は水滴で

こちらのサイトによると、テフロン加工された熱したフライパンに水滴を落としたときの水滴の様子で温度がわかるとのこと。

  • 100℃ 水滴に気泡がすぐにできない(水の沸点未満なので)
  • 150℃ 小さな気泡ができる(沸点を超えているので)
  • 180℃ 大きな気泡ができる
  • 200℃ 水滴が蒸発し表面を滑る
  • 250℃ 水滴のまま表面を転がる

そういえばカリカリに熱したたこ焼きのプレートに水滴を落とすと水滴のままくぼみの中でコロコロしますが200℃以上あったということなのですね(調べてみてよかった)。

これを参考に、260℃を超えるような使い方(空焚き)をフッ素加工のフライパンにはしてはいけませんので覚えておいてください。水滴が水滴のまま転がるのはだめな温度、ということです。

テフロン加工のフライパンを空焚きするとどんな有毒ガスが発生するのか

高温で空焚きしたテフロン加工のフライパンは有毒ガスが出るということがわかりました。ではどんなガスが出るのでしょう。

先程ご紹介した「ふっ素樹脂製品取扱マニュアル」に添付資料として記載がありますのでご紹介します。

PTFE を約 480℃に加熱した場合は、微粒子状物質と HF を主成分とするガス状の物質が発生します。500℃以上への加熱では、更に、極めて毒性の強い PFIB 等のガス状物質が発生します。(Lee&Seidel,1991; Warit&Kwon,1968;Makuiova,1965)ただし、FEP を熱分解したとき、400℃以上で PFIB が発生する可能性があり、PTFE 以外のふっ素樹脂についての HF は 460℃未満で発生する可能性があることに留意する必要があるでしょう。

TFE :四ふっ化エチレン(430℃以上で発生)
HFP :六ふっ化プロピレン(440℃以上で発生)
HF :ふっ化水素(460℃以上で発生)
PFIB :パーフロロイソブチレン(470℃以上で発生)
COF2 :ふっ化カルボニル(500℃以上で発生)
CF4 :四ふっ化炭素(640℃以上で発生)

(附属資料A)

この記事の最初に書いたテフロンが出来たときの話を覚えておられますか?

1938年にアメリカのデュポンで研究をしていたプランケット博士は冷媒を作る作業中、ガス化していた 四フッ化エチレン(TFE)を圧力容器に入れておいたところ容器の中に白い粉が出来ているのを偶然発見し、その正体が気になりました。調べてみるとその白い粉は薬品にも反応せず、溶けたりもしませんでした。その物質に興味をもった博士が研究を重ね、出来上がったのがふっ素樹脂(PTFE)です。

フッ素の材料になるTFE自体に毒性はそれほど高いものではないとされていますが、440℃以上で発生する毒についてはこのように記載されています。

分解生成物の毒性
主な熱分解生成物の毒性は、次のとおりです。
・微粒子状物質の毒性は、サイズ分布によって影響するといわれて、発生直後は、粒子
数中央径 15~20nm のナノサイズ分布であったものが、数分後には凝集して 100nm 以上
のサイズ分布に移行し、凝集したものは、発生直後の微粒子に比べて毒性を著しく喪
失させるといわれています。
TFE は、毒性が低い。(LC50)
注1:ラット吸入 40,000ppm/4 時間)
HFP は、毒性が低い。(LC50:マウス吸入 750ppm/4 時間)
・HF は、毒性が高い。(LC50:ラット吸入 1,276ppm/1 時間)
・PFIB は、微量でも毒性は極めて高い。(LC50:ラット吸入 17ppm/10 分)
・COF2は、毒性が高い。(LC50:ラット吸入 360ppm/1 時間)

・CF4は、毒性が低い。(LCLo
注 2:ラット吸入 895,000ppm/15 分)
注 1:LC50 とは、ラット 100 匹中 50 匹を死亡させる致死濃度です。
注 2:LCLo とは、最低致死濃度です。

もっとも毒性が高いPFIBの致死量を計算してみましょう。

LC50というのは100匹いるラットの半数(50匹)が死ぬ致死濃度ということで、それが10分間17ppmの濃度の環境下だったということです。

17ppmというのは空気1リットルの中に0.127ミリリットルのPFIBが含まれている場合、ということ。決して大量とは言えない量ですが確かに動物に悪影響のある物質だと考えられます。

これが人体への影響があるのかを実際に調べた結果、見つかっている症状が「ポリマ煙熱」といわれるものです。インフルエンザに似た症状というポリマ煙熱は重症化することもなく2日程度で収まるとのことで後遺症なども特に起こらないとされています。

PTFE はその化学的不活性や低摩擦性,電気的特性などから化学工業や生活用品に頻用されるが,327℃ で融解し高温では徐々に熱分解される1.インコやウズラなどではより低温での死亡報告があるが,人体においては,約 350~450℃ で PTFE の微細粒子を含むヒュームが発生し毒性を持ち始めるとされる.また熱分解により450~475℃程度で tetrafluoroethylene,hexafluoropropylene,perfluoroisobuthylene をはじめとした様々なガスを発生し,さらに高温でフッ化水素やフッ化カルボニルを発生する。この熱分解産物吸入により重症化することが示唆されているが,ラットに対する曝露実験において高温で発生したガスだけでは障害が出ず,PTFE 微細粒子と合わせることによって障害が生じるため,微細粒子の関与を指摘する報告もあり,実際に中枢気道から肺胞壁に至るまで吸入した微細粒子が確認され、直接刺激するものと考えられる
フッ素樹脂加工鍋の過燃焼にて発症したポリマーヒューム吸入による肺障害の 1 例

いろいろと書きましたが、まとめるとこのようになります。

  • 普通の調理温度においてフッ素加工されているフライパンを使うことは問題がない
  • 空焚きすることによって高温になるとガスが発生し、さらに高温になると有毒なガスが発生する
  • 発生したガスと飛散した微粒子によりインフルエンザのような症状が出ることがあるが体内に蓄積されず数日内に完治する

空焚きをせず使うことがテフロン加工のフライパンにとって一番大事なことです。ちなみに、ヘラなどで表面にコーティングされたテフロン加工の膜が剥がれ体内に入ったとしても、優れた耐薬品特性から体内に分解、吸収されることはなく便として体外に排出されます。

テフロン加工は危険!!のサイトで見かけるPFOAって何?

フライパンのサイトで「テフロンにはPFOAという有害な物質が入っているので危険」という話を見かけます。ではPFOAとはなんでしょうか。

PFOAは製造過程でできるものではなく、フッ素樹脂を製造するときに補助剤として使用されていたもので、自然界には存在しない人工的な化学物質のことです。

化学的に性質安定性が高いので自然界や体内で分解されたりすることがないこと、体内に入ると便や尿などでは出にくい物質であることから毒性が高いのではないか、と以前から言われていました。

そこで2006年、フッ素樹脂製造メーカー8社がアメリカ環境保護局の提案によりスチュワードシッププログラムとよばれるPFOAの自主削除プログラムに参加し、2015年に全廃という目標のもと取り組みを行いました。

このプログラムの目的は以下のとおりです。

(1) PFOA、もしくは分解してPFOAを発生する前駆体物質、およびC8より炭素数の多い類縁物質の、工場から環境中への排出量、製品中含有量の両方について、2010年に基準年比95%削減すること。
(2) PFOA、もしくは分解してPFOAを発生する前駆体物質、およびC8より炭素数の多い類縁物質を2015年に全廃することに対する努力を行うこと(Working toward the elimination)を約束すること。

出典:ダイキンニュースリリース

参加企業はフッ素樹脂を製造するメーカーがずらりと顔を並べています。

デュポン(現ケマーズ)
3M/ダイネオン
旭硝子
ソルベイ・ソレキシス(現現ソルベイ・スペシャルティー・ポリマーズ)
アルケマ
クラリアント(現アークローマ)
チバ・スペシャルティー・ケミカル(現BASF)
ダイキン工業

このプログラムの結果、「フッ素樹脂製造でのPFOAは全廃することができましたが、撥水剤の中に微量に含まれるから若干量含まれています」という説明がなされています。デュポンも同様、99.9%は廃止出来たようですが、一部で残ってはいるようです。つまり、昔は補助剤として使っていたことがありましたが、現在はもうテフロン加工には使用していません、ということです。

ということで、断言します。「いまのテフロン加工、フッ素加工のフライパンにはPFOAは含まれていません」。

テフロンに毒性をどうしても持たせたいため、昔使っていたPFOAをあたかも今も使っているように書いて危険性をうたうウェブサイトが多いということです。または他のサイトをそのままコピーしているか。

本当に気になるのであればダイキンや旭硝子、三井・デュポン フロロケミカル(三井化学とケマーズの半分づつ出資したフッ素樹脂製造会社)に問い合わせてみたらいいのに、と思います。日本の企業ですので丁寧にわかりやすく説明してもらえるはず(WEBサイトにも本当にいろいろと詳しく載っているのでダイキン工業の取り組みなどは本当にしっかり見て欲しいくらいです)。

あともう一つ、テフロン加工の種類によって書いてみることにします。

テフロン加工(フッ素樹脂加工)の種類について

これは大変難しいので簡単に説明ことが出来ません。フッ素コーティングは先程も書いたようなフッ素樹脂の特性を金属表面に被膜としてコーティングするものですので(テフロンコーティング、ともいいますよね)、それぞれ必要に応じて表面被膜の性質を変えることができるのです。

フッ素自体の性質をそのまま使う「PTFEコーティング」「PFAコーティング」などもありますし、金属とテフロンを混合させて耐摩耗性を上げるような製品もあります。たとえば薬品を入れる巨大な水槽の内面にテフロンコーティングをするのは薬品が金属に触れて腐食しないようにするためですが、その時のコーティングとフライパンに求める「焼け付かない」ために使うなど、求める性質が異なるのに合わせて素材を変えて加工するのです。

フライパンなどで「シルバーストーン加工」「プラチナストーン加工」と呼ばれるものがありますね。これは昔のデュポン社のテフロンコーティングのグレード名です。

  • テフロン加工
  • シルバーストーン
  • シルバーストーンプレミアム
  • プラチナストーン
  • プラチナストーンプロフェッショナル

こんなグレード名だったのですが、今は細分化されています。商品名の後ろの数字が耐久性指数とよばれる、クラシックを100としたときのそれぞれの耐久性を数字で表したものです。

  • テフロンクラシック 100
  • テフロンセレクト 300
  • テフロンプレミアム 400
  • テフロンラディアンス 400
  • テフロンプラチナ 600
  • テフロンプラチナプラス 700
  • テフロンプラチナプラスステンレス仕様 700

デュポン(現在はケマーズ)のテフロンコーティングを使用したフライパンの紹介記事を書いてみました。インターネット通販で入手しやすいメーカーかつ安心できるブランドの商品です。ご参考に。

記事が見つかりませんでした。

旧シルバーストーンと現在のテフロンクラシックが同じ2層構造、セレクトからプラチナまでが3層構造というように昔のものと対比することができます。耐久性が良くなるに従ってフッ素加工の厚み自体も分厚くなり、耐久性も良くなります。

よくスーパーで安売りしている真っ黒なフッ素加工は普通のテフロン加工、そこから金額が上がるとクラシック、セレクトなどの高いグレードのものになります。

一つ言えるのは、安いものはフッ素加工が薄く下地処理が弱いので剥がれやすく弱いので寿命が短くなります。高級のものはフッ素加工が分厚く下地処理もしっかりされているので高寿命です。

しっかりした製品を購入すればシールが貼られているのでチェックしてみると良いです。テフロンコーティングならこんなシールが貼られています。

この画像のシールは「プラチナプラス」ですが、この部分が先程のグレードのように分かれています。

詳しく読みたい方はこちらにPDFがありますので直接ご確認ください。

ちなみに、これはデュポンのテフロンを使ったテフロンコーティングに貼られたマークで、さきほど紹介したスチュワードシッププログラムに参加したフッ素樹脂を製造しているメーカーはそれぞれの規格でフッ素加工のグレードを設定しています。

ダイヤモンドコーティングとかチタニウムコーティング、独自の規格をいろいろ作っているのでここでは紹介しません。

先ほど紹介してテフロン製造メーカーのフッ素樹脂を使っていればまず問題は起きません。

  • デュポン(現ケマーズ)
  • 3M/ダイネオン
  • 旭硝子
  • ソルベイ・ソレキシス(現現ソルベイ・スペシャルティー・ポリマーズ)
  • アルケマクラリアント(現アークローマ)
  • チバ・スペシャルティー・ケミカル(現BASF)
  • ダイキン工業

最後に

テフロン加工を実際に目にしたり取り扱ったりしてきた中で、今のウェブサイトで見かける嘘やこじつけなどを少し見直してほしくてこの記事を書きました。

ただひたすら「何をどう扱ってもテフロン加工は安全」と私も言うことが出来ないのは空焚きすることでガスが発生するのは間違いなく、この記事を読んでいただければよく分かると思います。

使い方を間違えず、丁寧に扱えばこびりつかず調理のできるフッ素加工のフライパンは主婦の方やシェフ、たまに台所に立つ男性などにも是非オススメできるものです。

この記事がそういう方の安心につながれば良いなと思います。

質問などがあれば是非お問い合わせフォームからご連絡下さい。回答をこの記事に追加したり直接お返事するようにします。お気軽にどうぞ。

2020年1月追記

メールにてお問い合わせ頂いたのですが、こちらでお返事させていただきます。

テフロンコーティング自体の有害性以外に、フライパンなどの基材とテフロンを定着させるための基材には高温にしたときの危険性がないかというお問い合わせでした。

この件につきましてはテフロンコーティングを行う前にはフライパンなどの表面に密着性を高めるために表面に細かいキズをつける(砂などをぶつけて表面を荒らす)処理をした後、セラミック製の下地や硬質金属皮膜などを付ける場合もあります。

基本的にはテフロンよりも強度があり、耐熱性にも優れたものを使うので有害なガスが出る等はないかと思います。