四字熟語「酒池肉林」の語源は史記の逸話から生まれた
日本人はお酒が大好き。春のお花見に始まりビヤホール、忘年会、送別会に新年会といろんな口実をつけてお酒を楽しむ人が多いですね。お酒がすすむとついおじさんたちはハメを外しがち。
そしておじさん達が夢見ているのが「酒池肉林」。お酒に溺れ、女性がたくさんいて楽しそうな様子。そうやってニヤニヤしているおじさんを見ながら「ああ恥ずかしい」と思うわけです。なぜなら本来の「酒池肉林」という言葉自体には女性が出てこないんだもの。でも・・というのがこの記事です。
面白い、なるほど、勉強になった、を追い求めるのがこのブログのコンセプト。どうぞお付き合いください。
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酒池肉林の原文を読み解く、実は「肉林」は豚料理の名前!
酒池肉林という言葉は司馬遷が書いた「史記」に出てくる逸話から生まれました。殷の紂王が美女の妲己(だっき)の歓心を引くために大宴会を繰り広げた、というところから。
以酒爲池、縣肉爲林
これではわからないですよね。日本語っぽくしてみましょう。
酒をもって池となし、肉をかけて林となし
これをまとめると「酒池肉林」になりますね。
でもこの部分の肉というのは本当のお肉のことで、子豚の丸焼きのことを指すそうです。子豚の丸焼きがたくさん並んでいて、まるで林のようだということ。「酒を池のようにたくさん用意し、子豚の丸焼きを林のように並べた」のが「酒池肉林」なんですね。
女性をはべらす、は全く出てこないんですよ。おかしいですね。イメージがちょっと違います。
酒池肉林には話の続きがあった
先ほどの意味で酒池肉林というのは、たくさんのお酒とお肉という事がわかったと思うのですが、史記にはまだ続きがあったのです。
使男女倮、相逐其閒、爲長夜之飮。
うむ、女性という言葉がどうやらでてきました。
男女をして裸にして、その間にあいおわしめ、長夜の飲を為す。
これ、結構そのままの意味ですね。男女を裸にして(酒池肉林)の間を追いかけっこをさせたりしながら昼も夜も続けて宴会を繰り広げた、ということ。やっぱり裸の女性がでてきましたね。裸で男女が追いかけっこをする、何が楽しいのかはよくわからないのですが!
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酒池肉林の使い方は「お酒の席」がちょうどいい
酒池肉林という言葉自体は先程のとおり「お酒を飲みながら女性に囲まれる光景」のことではありません。ましてや男性が喜ぶような想像のシーンでもありません。
柱のようにそびえる豚肉と池のように大量のお酒、ですから。
でも、ドヤ顔で「知ってるか、酒池肉林っていうのは女性とは全く関係ないんだぞ」と言われるとちょっとそれも違うんですよね。
ぜひドヤ顔返しで「酒池肉林の言葉には続きがあって、酒池肉林の中で裸の男女が追いかけっこを繰り広げた」という続きがあることを教えてあげて下さい。語源は司馬遷の史記であること、紂王と妲己の故事にちなんでいることも。
そういう「ちょっと奥深いネタ」ってお酒の席では意外と使えますよね!お酒の話だけに!