低気圧で頭痛が起きる原因を調べてみました

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低気圧が頭痛の原因になりえるという根拠をみつけた

以前から気になってたのがタイトルの通り「低気圧が来たら頭痛がするのか」という話。

今では「低気圧頭痛」という名前ですっかり認知されているようですね。実際、僕も気圧が急に変わって夕立がくるようなときは体調が悪くなる気がするし、頭痛になったりもします。

でも、その原因とされるものを調べるとなかなか不思議な世界が広がっていました。もしかして、都市伝説なんじゃないの?こじつけなんじゃないの?と思ったのがこの記事を書き始めたきっかけです。

まず、気圧で頭痛が起きる派、起きない派双方の意見をしらべてみることにしました。

気圧で頭痛が起きる派の意見

ざっと「低気圧 頭痛」で検索すると55万件ほどGoogleでみつかります。で、本文をチェックすると原因等についてはこんなのがほとんど。

  • 気圧の変化がストレスになって頭痛を起こすのではないか
  • 気圧が下がると脳の血管に影響があり、血管が膨張することで周りの神経を圧迫、痛みとなって伝わり頭痛になる
  • 低気圧によって自律神経が狂い、血管が拡張する可能性もある
  • 内耳が気圧の変化を感じると血管が収縮し頭痛や古傷の痛みになるかも

なるほどこれらが低気圧頭痛の原因なのですか。なんだか物騒な話だったんですね。脳、血管の収縮や拡張によるとあります。

気圧といえば、スナック菓子の袋が山の上で膨らむのは、袋を押さえようという力(気圧)が弱まるから膨らむのですが、血管は収縮するのでしょうか。

気圧のしくみーカガクの時間

標準の大気圧は海上で1013ヘクトパスカル(以下hPa)、山の上など標高が高くなると気圧は下がるといいます。

10m上がるごとに気圧はおよそ1hPa下がるそうなので、例えば富士山頂では3776m=377hPa下がると考えればおよそ636hPa。もちろん気圧が低くなり酸素も薄くなるので、チョモランマなどの高山に登るときは酸素マスクなどを装備したりするんでしょう。

参考:標高の科学

じゃあ天気を左右するような低気圧がどのくらいの気圧か調べてみました。年に数回あるかないかの低気圧で940hPaくらい、世界一低いとされる時の低気圧でも910hPa台らしいので・・・

参考:お天気のページ とんでもない低気圧・高気圧

海抜1000mクラスの山に登ったくらいがちょうど世界クラスの低気圧?ということは1000mくらいの山に登ったらさぞや強烈な頭痛に襲われるんでしょうね。いやいや、ゆっくり登るから影響が少ないとかまた言われるのかなあ。

低気圧になると若干の低血圧になることは認められてるみたいですが、そんなに大騒ぎするほどのものなんだろうか・・・

水平飛行中のJALの航空機内は約0.8気圧、2000mの山上と同じくらいの気圧に調整されているのだとか。ということはこれらをまとめると飛行機に乗っている人は「全員頭痛」になるってことになりますよね。

これだけ眺めてしまうと「低気圧によって頭痛が起きる」っていうのはちょっとおかしいんじゃないかなあと思えてきます。

気圧による偏頭痛はおきない、という説はないのか

同じくGoogleで「気圧 偏頭痛 嘘」で検索するとざっと6万件。

お医者さんのご意見があったので載せてみましょう。

 なぜ低気圧で頭痛になるかというと、頭の中で起きている血管の状態に問題があるからです。気圧が変わると体は影響を受けます。頭蓋骨内部の圧力が変わることによって、血管は収縮します。血管が収縮したとは言っても普段通り血液は流れるので、いうなれば細いチューブに大量の水を流しているような状態になります。パンパンになった血管は周囲の組織に影響を与えます。
気圧の変化によって脳圧に変化が起き血管の収縮、拡張に影響するからだといわれています。低気圧は、大気中の酸素の濃度が薄くなるということです。
収縮期と拡張期の揺れ幅が大きすぎるため痛みがでるということです。

低気圧が来ると自律神経が乱れて片頭痛が起きるという嘘!|「頭医者のつぶやき」

ほうほうほうほう。これまでの話の中ではいちばんそれっぽい。そしてさらに・・・

これはアメリカからの研究発表ですが、Neurologyという大変有名な雑誌にのっている論文です。

Neurology 2009:72:922-927 Kenneth J. Mukamal准教授らの報告です。

・医療機関受診前24時間の気温で5℃上昇すると頭痛のリスクが7.5%上昇する。
・受診前48-72時間前の低気圧も頭痛のリスクを上昇する。

という報告がなされています。

気温・湿度・気圧によって片頭痛発作がおこしやすいことを医者ならびに片頭痛患者さんは経験的に知っているわけですが、それが科学的に証明されたということです。

何を今さら的な話なのですが、実際気温が急激に上昇したり、気圧がさがってくると頭痛発作が引き起こされることの証明はできていなかったわけですから画期的ではありますが、・・

証明された、とあるんですけど色々調べてもこれ以外は出てこないんですよね。何人かの方にご指摘を頂き、「そのまんま信じる」のも危なそうなので、「はっきりは分からないが解明されそうなところまで来ている」にとどめたいと思います。

そうですか、低気圧で頭痛はやっぱり本当にありえるんですね。なんだか分かって良かったです。でもそれはきっと体調などによって起きたり起きなかったりするのでしょう、また、そういう変化に耐えられる人と耐性が弱い人かによって頭痛が起きたり起きなかったりするのでしょうね。

私の頭痛の改善方法に後頭部や首筋を温める入浴やシャワーというのがあるのですが、これは血管の収縮がほぐれるからかもしれません。

痛みがきついときは逆に氷枕などで冷やしてやると急激な痛みはかなりマシになることがありますので試してみるといいかもしれません。

低気圧頭痛の結論

脳血管が気圧で収縮することで神経を刺激し頭痛を引き起こすことがありえるようです。登山のようなゆっくりとした気圧の低下などとは違い、爆弾低気圧などのような急激な気圧の低下は偏頭痛の原因になることはあるかもしれない、ということです。

ところが頭痛が起きる派の人たちの書く原因や改善方法がバラバラ適当な部分が都市伝説感を出してしまうのかもしれませんね。