ほんとにあった怖い話(ほん怖)のおまじないの危なさと「コックリさん」の話

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遊び半分でやっていい事と悪い事がある「おまじない」

稲垣吾郎が司会で子どもたちをひな壇に座らせてコメントさせる夏の特番「ほんとにあった怖い話」も夏の定番になりましたね。

初回がタイトルこそ違えど1999年だったらしいので。

はて、ほん怖を知らないと?

『ほんとにあった怖い話』(ほんとにあったこわいはなし)は、学校の怪談など、本当に起こった(とされている)怖い話を集めた朝日新聞出版刊のホラーコミックおよび、それを基にしたフジテレビのテレビドラマ。通称『ほん怖』。

ほんとにあった怖い話 – Wikipedia

再現ドラマのように仕立てて怪奇な現象などをいかにも恐ろしくドラマ化してあるテレビ番組です。

子供なら再現ドラマが怖くてトイレに行けなくなるくらい。昨日僕が書いた記事がどうも強くて1人でお風呂に入れない、シャンプーできないってコメントしてる人が何人かいて笑ってしまいましたが。

ほん怖の番組の中身は

3話ちょっとくらいのショートストーリーのドラマ仕立てで、最後にちょっと怖さをつけ加えていたりするものと、心霊写真とかをちょっと紹介して子どもたちを怖がらせるような展開。

完全に怖がらせてしまうとPTAが黙っていないので(笑)随所にほっこりさせるようなものを付け加えるようになっています。

再現ドラマとはいっても怖がらせるように脚本はすごくいじってあるのでしょうし、心霊写真といっても合成であったり、なんとも都合よく霊がでてくるのですねと、ごめんなさい僕ははなからそういうの信じてないのです。

そういえば今日「天使のはしご」の写真を撮ったのですが、変なものが写ったんですよ!!

おわかりいただけるだろうか。

画面中央のやや右下の部分に、水色の光が写っているのがわかる。

それ、霊だから(笑)うそです車の窓ガラスを通して撮ったらこんなのが写り込んでしまうみたい。実験して確認したので間違いなく「天使」でも「はしご」でも「霊」でもありませんでしたよ。

番組は普通のエンターテイメント。でも

そんな風にドラマなどでこの番組は続いていくのですが、最後の最後にかならず変なことがあるんですよ。それは稲垣吾郎と子どもたちがへんなおまじないをするんです。

Wikipediaから引用します。

これは、「怖い」と思う弱い心を吹き飛ばすおまじないである。

  1. 稲垣「イワコデジマ イワコデジマ ほん怖 五字切り!」
  2. ほん怖クラブメンバーが1人ずつ「皆(かい)!」「祷(とう)!」「怖(ほー)!」「無(ぶ)!」
  3. 稲垣「弱気退散!」
  4. 鈴を2回鳴らす。
  5. 全員で「喝(かつ)!」

何の根拠もないおまじない。それも「イワコデジマ」は「マジで怖い」を逆から読んだだけで呪文のようなものもおそらく脚本家が適当に作ったもの。

そして最後は気合を入れたいのか「喝!」で終わるというもの。

駄目です。こういうのホントやっちゃダメです。もしかしたらこの番組を見ている子供がいる家庭では真似して「喝!」とかやってしまってるかもしれませんが、これは絶対に真似してはいけないとおもうんです。

適当な呪文などは唱えてはいけない

日本でも古来から「九字を切る」なんていうのがあります。漫画「孔雀王」など仏教や修験者が登場するような漫画でもおなじみかもしれませんが「臨兵闘者皆陣烈在前」の九文字を唱えながら手を上下、左右に切ったりするもの。

道教を由来として日本の修験道などとむすびついて密教や忍者の呪術などに発展したもの。そもそもは九字を切るのは身を守る護身の術として、それが中世のころに災難から身を守り勝利を呼び込むためのおまじないとして広まったとされています。

そしてこれもまた「九字を切る」のような呪術めいたことは気軽にやってはいけないと小さな頃からこんこんと言われてきた気がします。それは霊を信じる人が言うならば「霊を逆に引き寄せてしまう可能性が高い」ということであり、霊を信じない人であれば「そういうまじないめいたものに心を入れること」が自己催眠などの精神的な部分に結びつく可能性がある、ということで。

こっくりさん、覚えてますか?数字やひらがななどを書いた紙に五円玉を二人で押さえてやる占いごっこ。

思ってもいない方向に五円玉が動いたり、勝手に「はい」にうごいたりするとかしないとか。これも今は霊的なうんぬんではなく、無意識のうちにカラダが動いてしまう「オートマティスム」の一種ということで結論が出ていますよね。
(興味が沸いた方はあとでオートマティスムで調べてみて下さい)

精神面でのダメージを引き起こす可能性

これらも同じ。九字を切るのもこっくりさんをするのも、そしてこの番組の「 ほん怖 五字切り!」なるものもそう。安易に霊だの精神世界がどうのだのと考えるのも良くないのです。

井上円了という人の書いた「妖怪学」という本があるんですが、ここのこっくりさんの話での結論がすごく的を得ています。(青空文庫にあるので興味沸いた人は是非読んでみて)

ゆえに知るべし、コックリは狐狸のなすところにあらず、鬼神のなすところにあらず、電気の作用でもなければ、器械の装置でもなく、また故意をもってなすにもあらず、ただ器械の装置に心性作用の相合して生ずるものなり。しかして、心性作用はその主因となるものなり。ゆえに、つまびらかにこの原因を知らんと欲せば、心理学に入りて精神作用のいかんを論ぜざるべからず。

精神的な部分に作用するということは、悪い方向で考えれば「精神的な異常を引き起こすことがある」ということだし、良く言えば「心の安定を引き起こすこともある」ということ。しかしそんな危険なことを子供にやらせるのは・・・僕は危険以外のなにものでもないと思うのですがどうでしょうか。

番組自体を否定するわけではないですが

この番組自体を楽しみにしている人も多いと思うんです。霊的なものが作用しているんじゃないかというような再現ドラマは「怖いもの見たさ」というものがあると思うのですが(まあ霊なんていないと思うんですけど)。決して番組自体を否定するつもりはありませんが、そういう部分で脚本化された部分にこういったおまじないのようなものを放り込んで子どもたちの精神的な部分を触るのはいかがなものかと思うところです。

実際、コックリさんをやったことで何かに取り憑かれたように精神的にダメージを受けた子の話なんて山ほど出てきますから。感受性の強い子供ほどそういうことをやらせてはいけないと思うんですよ。

子供の精神的な部分に良い影響を与えることは大事だと思いますが、逆の事はほどほどにが良いと思います。まったく与えないのも免疫がなさすぎて将来困ると思うんですけどね。